寄付をしようと思った時、「封筒はどれを使えばいいの?」「表書きは何て書けばいいの?」と迷ってしまいませんか。実は、寄付の金額や目的によって使うべき封筒の種類や書き方が変わってきます。この記事では、寄付の封筒の正しい選び方から書き方まで、わかりやすく解説します。
寄付の封筒選びの基本|金額と目的で決まる
寄付をする際、まず最初に決めるべきは封筒の種類です。寄付の際に使われる封筒には主に3つの種類があります。それぞれの特徴と使い分けを見ていきましょう。
金封(きんぷう)とは何か
金封とは、冠婚葬祭において金銭を贈る際に用いる封筒もしくは折り紙をさします。一般的には和紙で出来ており、用途に応じて水引や熨斗(のし)があしらわれる場合もあります。
金封の特徴は以下の通りです。
- 一枚の紙を折って作った本体があり、その中に紙幣を入れる中袋がある
- 水引や熨斗が実際に貼り付けられている
- より正式で格式の高い封筒
- 高額な寄付に適している
のし袋(熨斗袋)の特徴
熨斗袋とは熨斗や水引が付いている、もしくは印刷してある和封筒であり金封の一種です。金封を簡略化したもので、水引や熨斗が印刷されているのが特徴です。
のし袋の特徴は以下の通りです。
- 水引や熨斗が印刷されている
- 金封より手軽で購入しやすい
- 中程度の金額の寄付に適している
- 100円ショップでも購入できる
白封筒を使う場合
白封筒は最もシンプルな封筒で、少額の寄付や気軽な寄付の際に使われます。
白封筒の特徴は以下の通りです。
- 装飾がない無地の封筒
- 少額の寄付や緊急時に適している
- どこでも手に入りやすい
- カジュアルな寄付に向いている
封筒の使い分け方|金額別の選び方
寄付の金額によって使うべき封筒が決まります。1万円を超える場合は「金封」、1万円より小さな寄付金を包む場合は「熨斗袋」といったように使い分けることをおすすめします。
1万円以上の高額寄付
1万円以上の高額寄付には金封を使いましょう。金封は格式が高く、高額な寄付にふさわしい封筒です。特に正式な寄付や記念寄付の際には金封が適しています。
金封を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 紅白の水引が付いているもの
- 蝶結び(花結び)の水引を選ぶ
- のしが付いているもの(お祝い事の場合)
- 質の良い和紙で作られているもの
5千円~1万円の中額寄付
5千円から1万円程度の中額寄付にはのし袋が適しています。金封ほど格式張らず、白封筒よりも丁寧な印象を与えることができます。
のし袋を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 紅白の水引が印刷されているもの
- 蝶結び(花結び)の水引デザイン
- 適度な大きさのもの
- 清潔感のあるデザイン
5千円未満の少額寄付
5千円未満の少額寄付や、気軽な寄付の場合は白封筒でも問題ありません。ただし、あまりにも質素すぎる封筒は避け、適度に丁寧な印象を与える白封筒を選びましょう。
白封筒を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 真っ白で清潔な封筒
- 適度な厚みがあるもの
- シミや汚れがないもの
- サイズは長形3号または長形4号が適切
水引の種類と意味
水引は封筒に付ける飾り紐で、その色や結び方によって意味が変わります。寄付の場合は特定の水引を選ぶ必要があります。
蝶結び(花結び)
寄付の場面では、1度きりのことではないというメッセージを連想させるので、印象がよくなります。蝶結びは何度でも結び直すことができることから、繰り返し行われることを願う意味があります。
蝶結びの特徴は以下の通りです。
- 何度でも結び直せる
- 継続的な関係を願う意味
- お祝い事や寄付に適している
- 紅白または金銀の色が一般的
あわじ結び(結び切り)
あわじ結びは、結び目が複雑で解けにくいことから、関係が末長く続くという意味があります。一度きりの行事や、末長い関係を願う場合に使われます。
あわじ結びの特徴は以下の通りです。
- 結び目が複雑で解けにくい
- 一度きりの行事に適している
- 末長い関係を願う意味
- 結婚式や弔事に使われることが多い
寄付に適した水引の選び方
寄付の場合は、継続的な支援の意味を込めて蝶結びを選ぶのが一般的です。寄付に適したのし袋は、「紅白」色の水引が掛けられているもの。また、「蝶結び(花結び)」の水引が掛けられたものを選べば問題ありません。
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表書きの書き方|目的別の例文
寄付の表書きは、寄付の目的や相手によって変わります。正しい表書きを覚えて、適切に使い分けましょう。
一般的な寄付の表書き
最も一般的な寄付の表書きは以下の通りです。
「御寄付」(ごきふ)
- 最も一般的で無難な表書き
- どんな寄付にも使える
- 迷った時はこれを選べば間違いない
「金一封」(きんいっぷう)
- シンプルで使いやすい表書き
- 金額を明記しない場合に適している
- 幅広い用途に使える
「御寄進」(ごきしん)
- 寺社仏閣への寄付に適している
- 宗教的な意味合いが強い
- 神社やお寺への寄付で使用
お祝い事に関連する寄付
お祝い事に関連した寄付の場合は、以下の表書きを使います。
「御祝」(おいわい)
- 祝賀会やお祝い事への寄付
- 記念事業への寄付
- 創立記念などの祝賀寄付
「御礼」(おんれい)
- 感謝の気持ちを込めた寄付
- お世話になった相手への寄付
- 謝礼の意味を込めた寄付
義援金・支援金の表書き
災害支援や緊急支援の場合は、以下の表書きを使います。
「義援金」(ぎえんきん)
- 災害支援の寄付
- 被災地支援の寄付
- 緊急支援の寄付
「支援金」(しえんきん)
- 一般的な支援の寄付
- 団体支援の寄付
- 活動支援の寄付
避けるべき表書き
寄付の際に避けるべき表書きもあります。
「寸志」(すんし) 「寸志」という封筒の表書きですが、これは寄付する相手を選ぶ言葉なので、避けるようにしなければいけません。寸志は心ばかりの心づけという意味で、目上の人から目下の人に渡すものです。寄付の場合は使わないようにしましょう。
表書きの正しい書き方
表書きを書く際は、正しい書き方のマナーを守りましょう。
使用する筆記具
表書きを書く際は以下の筆記具を使います。
- 筆ペン(最も適している)
- 太めのサインペン
- 毛筆(正式な場合)
ボールペンや細いペンは避けましょう。
書く位置と大きさ
表書きを書く位置と大きさには決まりがあります。
- 封筒の中央上部に書く
- 水引より上の位置に書く
- 適度に大きく、読みやすい文字で書く
- バランスよく中央に配置する
名前の書き方
表書きの下部には差出人の名前を書きます。
- 表書きより小さな文字で書く
- フルネームで書く
- 封筒の中央下部に書く
- 夫婦で寄付する場合は夫の名前を中央に、妻の名前を左に書く
遠方の親戚の初盆法要、仕事のため行けないからとお供えを送ることに。
— kai*nyu*shinai* (@kainyushinaiyo) August 1, 2023
おや、現金書留封筒、変化してる~👀(裏側の割印も二ヶ所のみ)
ところでぬ熨斗袋、初盆は薄墨ではなく濃い墨で書くのがてマナーなんですってね!👀
ネットで調べて焦って書き直しした😅 pic.twitter.com/VdHV4wo7nG
封筒の中身の入れ方
封筒に現金を入れる際にも正しいマナーがあります。
お札の向きと入れ方
お札を封筒に入れる際は、以下のポイントに注意しましょう。
- お札の向きを揃える
- 肖像画が見える面を表にする
- 肖像画が封筒の口側にくるように入れる
- 新札を使うのが理想的
中袋がある場合
金封の場合は中袋が付いています。
- お札は中袋に入れる
- 中袋の表面に金額を書く
- 中袋の裏面に住所と氏名を書く
- 中袋を本体に入れる
金額の書き方
中袋に金額を書く際は、以下のルールに従います。
- 漢数字で書く
- 「金○○円也」または「金○○円」と書く
- 大字(だいじ)を使う(一→壱、二→弐、三→参など)
- 封筒の表面中央に書く
郵送する場合の注意点
寄付金を郵送する場合は、特別な手続きが必要です。
現金書留を使う
現金で送る場合には、通常の郵送ではなく、現金書留を使うのが必須です。現金を郵送する場合は必ず現金書留を利用しましょう。
現金書留の手続き方法は以下の通りです。
- 郵便局で現金書留封筒を購入する
- 寄付用の封筒を現金書留封筒に入れる
- 現金書留の伝票に必要事項を記入する
- 郵便局の窓口で手続きを行う
添え状を付ける
郵送で寄付する場合は、簡単な添え状を付けると丁寧です。
添え状の内容例は以下の通りです。
- 寄付の目的や動機
- 金額の明記(中袋に書いた場合は省略可)
- 使途への希望(あれば)
- 感謝の気持ち
手渡しする場合のマナー
寄付金を直接手渡しする場合のマナーも重要です。
渡し方の基本
寄付金を手渡しする際の基本マナーは以下の通りです。
- 両手で渡す
- 軽く一礼してから渡す
- 「心ばかりですが」などの謙遜の言葉を添える
- 受け取ってもらえない場合は無理強いしない
封筒の向き
封筒を渡す際は、相手が読みやすい向きで渡します。
- 表書きが相手から見て正しい向きになるようにする
- 封筒の口が相手の方を向かないようにする
- 丁寧に両手で持って渡す
宗教施設への寄付の注意点
神社やお寺などの宗教施設への寄付には、特別なルールがあります。
神社への寄付
神社への寄付の場合は以下の表書きを使います。
「御玉串料」(おんたまぐしりょう)
- 神社での祈祷やお祓いに対する寄付
- 最も一般的な神社への寄付
「御神前」(ごしんぜん)
- 神様への捧げ物としての寄付
- 神社の社殿や境内整備への寄付
「御寄進」(ごきしん)
- 神社の維持や発展への寄付
- 長期的な支援の意味を込めた寄付
お寺への寄付
お寺への寄付の場合は以下の表書きを使います。
「御仏前」(ごぶつぜん)
- 仏様への捧げ物としての寄付
- 最も一般的なお寺への寄付
「御寄進」(ごきしん)
- お寺の維持や発展への寄付
- 本堂や境内整備への寄付
「御布施」(おふせ)
- 法要やお経に対する寄付
- 住職への謝礼を込めた寄付
学校や団体への寄付
学校や各種団体への寄付の場合は、以下のポイントに注意しましょう。
学校への寄付
母校や地域の学校への寄付の場合は以下の表書きが適しています。
「御寄付」(ごきふ)
- 最も一般的で安全な表書き
- どんな用途にも使える
「教育振興費」(きょういくしんこうひ)
- 教育活動の振興を目的とした寄付
- 設備充実や奨学金への寄付
「創立記念」(そうりつきねん)
- 学校の創立記念事業への寄付
- 記念行事への協力寄付
NPOや慈善団体への寄付
NPOや慈善団体への寄付の場合は以下の表書きを使います。
「御寄付」(ごきふ)
- 最も一般的で適切な表書き
- 団体の活動全般を支援する寄付
「活動支援金」(かつどうしえんきん)
- 団体の具体的な活動を支援する寄付
- プロジェクト支援の意味を込めた寄付
よくある間違いとその対策
寄付の封筒で よくある間違いとその対策を知っておきましょう。
封筒選びの間違い
よくある封筒選びの間違いは以下の通りです。
間違い:普通の茶封筒を使う 対策:白封筒以上の格式がある封筒を使う
間違い:金額に見合わない封筒を使う 対策:寄付金額に応じた適切な封筒を選ぶ
間違い:汚れた封筒を使う 対策:新品で清潔な封筒を使う
表書きの間違い
よくある表書きの間違いは以下の通りです。
間違い:「寸志」と書く 対策:「御寄付」や「金一封」を使う
間違い:ボールペンで書く 対策:筆ペンや太めのサインペンを使う
間違い:小さすぎる文字で書く 対策:適度に大きく、読みやすい文字で書く
中身の入れ方の間違い
よくある中身の入れ方の間違いは以下の通りです。
間違い:お札の向きがバラバラ 対策:すべてのお札の向きを揃える
間違い:古いお札や汚れたお札を使う 対策:できるだけ新札を用意する
間違い:金額を書き忘れる 対策:中袋や封筒に必ず金額を記載する
季節や時期による寄付のタイミング
寄付をする時期やタイミングも重要な要素です。
年末の寄付
年末は寄付が多くなる時期です。税制上の優遇措置を受けるために12月に寄付する人が多いためです。
年末寄付の注意点は以下の通りです。
- 早めに手続きを行う
- 領収書の発行に時間がかかる場合がある
- 現金書留の場合は配達日数を考慮する
- 年内に確実に届くように手配する
災害時の緊急寄付
災害が発生した際の緊急寄付では、通常のマナーより迅速性が重視されます。
緊急寄付の対応方法は以下の通りです。
- 白封筒でも構わない
- 表書きは「義援金」が適している
- できるだけ早めに行動することが大切
- 現金書留での郵送が安全
記念事業への寄付
創立記念や周年記念などの記念事業への寄付は、事前に案内が来ることが多いです。
記念事業寄付の注意点は以下の通りです。
- 指定された期限を守る
- 金額の目安が示されている場合は参考にする
- 表書きは「創立記念」「○○周年記念」が適している
- 格式の高い封筒を選ぶ
寄付後のフォローアップ
寄付をした後のフォローアップも大切です。
領収書の管理
寄付をすると領収書が発行されます。これは税制優遇を受けるために重要な書類です。
領収書管理のポイントは以下の通りです。
- 確実に保管する
- 年度別にファイルする
- 確定申告時に準備する
- 紛失した場合は再発行を依頼する
継続的な関係の構築
一度寄付をした団体とは、継続的な関係を築くことができます。
関係構築のポイントは以下の通りです。
- 活動報告書を読む
- イベントや説明会に参加する
- 継続的な寄付を検討する
- 他の支援方法も探る
よくある質問
Q1. 寄付の封筒は100円ショップのものでも大丈夫ですか?
100円ショップののし袋でも基本的に問題ありません。ただし、以下の点に注意しましょう。
- 清潔で新品のものを選ぶ
- 紅白の水引が印刷されているものを選ぶ
- 蝶結び(花結び)のデザインを選ぶ
- あまりに安っぽく見えないものを選ぶ
高額な寄付の場合は、文具店や百貨店で質の良いのし袋や金封を購入することをおすすめします。
Q2. 夫婦連名で寄付する場合の名前の書き方は?
夫婦連名で寄付する場合の名前の書き方は以下の通りです。
- 夫の名前を中央に書く
- 妻の名前を夫の名前の左隣に書く
- 妻の名前は名前のみで、苗字は省略する
- 例:「田中太郎 花子」
ただし、最近は夫婦それぞれの名前をフルネームで書く場合も増えています。この場合は「田中太郎 田中花子」と書きます。
Q3. 寄付の金額は封筒の外から分かってしまいますか?
適切な封筒を使えば、外から金額が分かることはありません。以下の対策を取りましょう。
- 中袋がある場合は必ず使用する
- お札を適切に折りたたむ
- 封筒のサイズに合ったお札の入れ方をする
- 厚くなりすぎないように注意する
金額は中袋や封筒の表面に記載するのがマナーですが、外から透けて見えないようにすることが大切です。
Q4. 寄付の封筒を間違えて書いてしまった場合の対処法は?
封筒の表書きを間違えてしまった場合の対処法は以下の通りです。
軽微な間違いの場合
- 修正テープや修正液は使わない
- 二重線で消して正しく書き直す
- 訂正印を押す(個人の場合は認印で可)
大きな間違いの場合
- 新しい封筒を用意し直す
- 間違えた封筒は使わない
- 時間に余裕を持って準備する
寄付の封筒は相手に敬意を示すものなので、できるだけ新しい封筒で書き直すことをおすすめします。
Q5. オンライン寄付と現金寄付の使い分けはどうすればいいですか?
オンライン寄付と現金寄付の使い分けは以下の基準で判断しましょう。
オンライン寄付が適している場合
- 遠方の団体への寄付
- 継続的な寄付
- 緊急時の寄付
- 手軽に寄付したい場合
現金寄付が適している場合
- 地域の団体への寄付
- 正式な行事での寄付
- 顔の見える関係の団体への寄付
- 高額な寄付
どちらも有効な寄付方法なので、状況に応じて使い分けることが大切です。
Q6. 匿名で寄付したい場合の封筒の書き方は?
匿名で寄付したい場合は以下の書き方をします。
表書きの下部
- 「匿名希望」と書く
- 「無名」と書く
- 何も書かない(空欄のまま)
中袋の場合
- 金額のみ記載する
- 住所・氏名は記載しない
- または「匿名希望」と記載する
ただし、税制優遇を受けたい場合は匿名にできないので注意が必要です。
「封筒」の人気商品をレビュー件数順に楽天でチェック!まとめ
寄付の封筒選びと書き方は、相手への敬意を示す重要なマナーです。金額に応じて適切な封筒を選び、正しい表書きを書くことで、寄付者としての誠意を伝えることができます。
封筒選びのポイント
- 1万円以上:金封
- 5千円~1万円:のし袋
- 5千円未満:白封筒
表書きのポイント
- 一般的な寄付:「御寄付」「金一封」
- 宗教施設:「御寄進」「御玉串料」「御仏前」
- 災害支援:「義援金」「支援金」
書き方のポイント
- 筆ペンまたは太めのサインペンを使用
- 中央上部に表書きを書く
- 下部に差出人名を書く
- お札の向きを揃えて入れる
寄付は相手への思いやりの表れです。適切な封筒選びと正しい書き方で、その気持ちをしっかりと伝えましょう。何より大切なのは、寄付をしたいという純粋な気持ちです。マナーを守りながら、温かい支援の輪を広げていきましょう。