2026年4月11日の両国決戦。世界中のボクシングファンが注目するのは、那須川天心が「井上拓真という迷路」で突きつけられた課題を、どう修正してくるかという一点です。
相手は、バム(ジェシー・ロドリゲス)に敗れたとはいえ、軽量級屈指のテクニシャンであるエストラーダ。正攻法のジャブの差し合いだけで勝てるほど、ボクシングの世界は甘くありません。しかし、だからこそ今回の天心には、これまでの常識を覆す「ボクサーとしての進化」が求められています。
結論:正攻法で挑むな、変則で翻弄せよ。ジャブの劣勢を「異能のスピード」と「緩急のバリエーション」で補い、老獪なエストラーダに考える暇を与えないことこそが勝機になる。
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カエル跳びアッパーは「過去の遺物」ではない。変則という名の武器
かつてビクトル・サンティリャン戦で見せた、あの「カエル跳びアッパー」。
正直、多くのファンが「漫画の脇役が使う見せパンチ」だと思っていたはずです。しかし、天心が放ったそれは、カウンターとして完璧なタイミングで機能し、驚くほどの伸びを見せました。
エストラーダのような精密なボクサーに対して、教科書通りのボクシングで対抗するのは得策ではありません。むしろ、中盤以降、エストラーダの集中力が削れてきたタイミングで、こうした「ボクシングの常識」から外れた変則打撃を組み込めるか。リーチを活かし、予測不能な角度からパンチをねじ込む姿に、私たちは「キック出身の異能」と「ボクサーとしての身体能力」の融合を期待せずにはいられません。
バム超えの「単発スピード」。拓真戦の停滞を打ち破る緩急の極意
技術やコンビネーションの総合力では、まだ現役最強のバムには届かないかもしれません。しかし、こと「単発の踏み込みの速さ」において、天心は世界トップクラスに位置しています。
前回の拓真戦での最大の反省は、初回に通用したスピードと距離が、中盤以降も「変化のない一定のリズム」になってしまったこと。精密なボクサーは、変化のないスピードにはすぐに対応してきます。
天心のスピード自体はバムにも負けてないと思う。問題は「出し方」。拓真戦は後半見切られちゃったから、今回は強弱とか緩急が大事。あのカエル跳びアッパーみたいな、相手の予測を裏切る動きをどれだけ混ぜられるか。エストラーダが「あれ、次は何が来るんだ?」って迷い始めたらチャンス #那須川天心
— サクッと深掘りしてみました (@15success) February 26, 2026
エストラーダを翻弄するには、初回の勢いを維持するだけでなく、あえて「遅いパンチ」や「待ちの姿勢」を混ぜる緩急のバリエーションが必要です。
「泥臭いアウトボクシング」。理想の距離を死守する覚悟
天心の近距離戦は未知数であり、現状ではエストラーダに分があると言わざるを得ません。理想はやはり、付かず離れずの距離を保ち、的確なパンチを当てていくアウトボクシングです。
しかし、今度の天心がこれまでと違うのは、そのアウトボクシングに「泥臭さ」が加わる点です。
「綺麗に勝とう」とするのではなく、泥臭くもがいてでも、自分の得意な距離を死守する。エストラーダの老獪な詰めを、ステップワークと変則的なジャブで突き放し、12ラウンドを通じて主導権を渡さない。その執念こそが、技術の壁を超える唯一の手段になります。
天心の進化:対エストラーダ戦術比較
| 技術ポイント | 拓真戦での課題 | エストラーダ戦への修正案 |
|---|---|---|
| 攻撃のバリエーション | 一定のリズム、単調な攻め | カエル跳びアッパー等の変則打撃 |
| スピードの活用 | 中盤以降に対応された | 強弱・緩急をつけたスピード調整 |
| 距離の支配 | 「届かない」距離で停滞 | リーチを活かした泥臭いアウトボクシング |
| 精神性 | 綺麗に勝とうとする | もがいてでも自分の距離を死守する |
まとめ:技術で勝つな、ボクシングで勝て
エストラーダは「ボクシングというチェス」の達人です。
盤面の上で正しく駒を動かしても、天心に勝機は薄いかもしれません。しかし、チェス盤をひっくり返すような「想定外の動き」と、勝利への「泥臭い執念」があれば、道は開けます。
4月11日、両国国技館。私たちは、進化した天心が「異能のボクシング」で老獪な王者を飲み込む瞬間を目撃することになるでしょう。

