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ナフサの成分は何でできている?4種類の炭化水素をわかりやすく解説

ナフサの成分は何でできている?4種類の炭化水素をわかりやすく解説 生活・文化

ナフサが「プラスチックや洗剤の原料」と聞いてはいたものの、実際に何でできているのかは全然知りませんでした。「成分って炭化水素って書いてあるけど、それって何?」「4種類あるって本当?」と気になっている方も多いはずです。この記事では、ナフサを構成する4種類の化学成分を、専門知識なしでも理解できるよう丁寧に解説します。

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「ナフサの成分」を簡単にまとめると

ナフサは単一の化学物質ではなく、パラフィン・ナフテン・芳香族・オレフィンという4種類の炭化水素が混ざり合った「混合物」です。

このうちプラスチック製造に最も直結するのがパラフィンで、ナフサ全体の60〜80%を占めます。成分の比率は軽質・重質の種類や産地によって異なり、この違いが用途の違いにもつながっています。

ナフサとは?成分を理解するための前提

ナフサは原油を加熱・蒸留して得られる石油製品のひとつです。原油はもともと炭素(C)と水素(H)を主成分とするさまざまな炭化水素が混ざり合った液体で、沸点(沸騰する温度)の違いによって成分を分離できます。

蒸留装置の中で、沸点がおおむね30〜230℃の範囲に相当する留分がナフサとして取り出されます。この段階のナフサは「いろいろな炭化水素が混ざった液体」であり、単一の化学物質ではありません。

調べ始めた当初、私はナフサを「ガソリンに似た一種類の化学品」だと思っていました。実際には複数の成分が混在する混合物であり、それぞれの成分が異なる役割を持つという構造に、「なるほどそういうことか」と声が出ました。

ナフサが「化学工業の米」と呼ばれる理由は、この多様な成分の組み合わせによって、さまざまな製品の出発原料になれるからです。

ナフサを構成する4種類の成分

パラフィン系炭化水素(60〜80%)

ナフサの主成分で、全体の60〜80%を占めます。炭素が鎖状につながった構造をしており、一般式はCnH2n+2で表されます。直鎖状の「ノルマルパラフィン」と枝分かれした「イソパラフィン」の2種類があります。

代表的な物質はペンタン(炭素5個)・ヘキサン(炭素6個)・オクタン(炭素8個)などです。

パラフィンは高温で熱分解(クラッキング)すると、エチレンやプロピレンを効率よく生成します。プラスチックの原料となるエチレン・プロピレンの主な供給源がこのパラフィンであり、「プラスチックの直系の先祖」とも言える成分です。軽質ナフサにパラフィンが多く含まれていることが、日本で軽質ナフサを石油化学原料として重視する理由です。

ナフテン系炭化水素(10〜20%程度)

炭素が輪のようにつながった「環状構造」を持つ飽和炭化水素です。一般式はCnH2nで表されます。代表的な物質はシクロペンタン(炭素5個の環)・シクロヘキサン(炭素6個の環)などです。

パラフィンに次いで多く含まれ、化学反応によって後述する芳香族へと変化しやすい性質を持っています。接触改質という処理でベンゼン・トルエンなどの芳香族化合物へ変換されるため、重質ナフサの処理工程で重要な役割を果たします。

芳香族炭化水素(数〜20%程度)

ベンゼン環と呼ばれる六角形の構造を持つ炭化水素です。代表的な物質はベンゼン・トルエン・キシレンで、この3つをまとめてBTX(ビーティーエックス)と呼びます。

「芳香族」という名前は、独特の芳香(香り)を持つことに由来します。BTXはポリエステル繊維・エンジニアリングプラスチック・合成ゴム・薬品などの原料として非常に重要です。ペットボトルの素材となるPETもテレフタル酸(キシレン由来)を原料とします。

原油を蒸留したばかりの「直留ナフサ」には芳香族はほとんど含まれておらず、ナフテンを接触改質で変換することによって生成されます。

オレフィン系炭化水素(微量・熱分解後に生成)

炭素同士が二重結合(C=C)を持つグループです。代表的な物質はエチレン・プロピレン・ブタジエンなどです。

重要な特徴として、原油を蒸留したばかりの直留ナフサにはほとんど含まれていません。ナフサを高温で熱分解(スチームクラッキング)して初めて大量に生成されます。この二重結合を持つオレフィンが「プラスチックへと重合する直前のアクティブな状態」の物質であり、ポリエチレン・ポリプロピレン・合成ゴムなどの出発点になります。

代表的な物質 含有量の目安 主な用途
パラフィン ペンタン・ヘキサン・オクタン 60〜80% エチレン・プロピレン製造
ナフテン シクロペンタン・シクロヘキサン 10〜20%程度 芳香族変換・BTX製造
芳香族(BTX) ベンゼン・トルエン・キシレン 数〜20%程度 繊維・樹脂・薬品原料
オレフィン エチレン・プロピレン・ブタジエン 直留ではほぼ0(熱分解後に生成) プラスチック・合成ゴム原料

軽質ナフサと重質ナフサで成分はどう違うのか

ナフサには沸点の範囲によって「軽質ナフサ」と「重質ナフサ」の2種類があり、成分の構成が異なります。

軽質ナフサは沸点がおおむね30〜90℃の留分で、炭素数5〜6程度のパラフィンが主成分です。揮発性が高く引火しやすい性質があります。日本では石油化学工業のエチレンプラント原料として最も多く使われており、パラフィンが豊富なためエチレンを効率よく生成できます。

重質ナフサは沸点がおおむね90〜230℃の留分で、炭素数6〜10程度の炭化水素が主成分です。軽質ナフサよりナフテンや芳香族を多く含み、接触改質装置でベンゼン・トルエン・キシレン(BTX)を製造する原料として使われます。ガソリンの製造にも使われます。

軽質・重質が混ざった「フルレンジナフサ」として輸入されることも多く、その場合は用途に合わせて国内で分離されます。

よくある質問

Q1:ナフサの主成分は何ですか?

パラフィン系炭化水素が主成分で、全体の60〜80%を占めます。炭素鎖が直鎖状または枝分かれした構造を持ち、高温で熱分解するとエチレン・プロピレンなどプラスチック原料を効率よく生成します。残りはナフテン・芳香族(BTX)・微量のオレフィンで構成されています。

Q2:ナフサとガソリンは成分が同じですか?

部分的には重なりますが、同じではありません。どちらも炭化水素の混合物ですが、ガソリンはオクタン価を高めるための改質処理が加えられた最終製品です。ナフサは精製前の半製品であり、化学原料として使われます。成分の沸点範囲は一部重なりますが、用途と処理の有無が大きく異なります。

Q3:ベンゼンはナフサに含まれていますか?

直留ナフサには少量しか含まれていません。ベンゼンはナフテン系炭化水素を接触改質という処理で変換することで生成されます。重質ナフサを処理した後の芳香族留分にベンゼン・トルエン・キシレン(BTX)が多く含まれます。

Q4:ナフサの成分は産地によって違いますか?

違います。産地や原油の種類によってパラフィン・ナフテン・芳香族の比率が変わります。中東産原油はパラフィン分が多く、エチレン製造に適した軽質ナフサが得やすい傾向があります。産地の違いが原料としての品質にも影響するため、石油化学メーカーは調達先を慎重に選んでいます。

Q5:オレフィンはなぜ直留ナフサにほぼ含まれないのですか?

オレフィンの二重結合(C=C)は化学的に反応しやすく不安定なため、原油の中では長期間存在しにくいためです。高温でナフサを熱分解(スチームクラッキング)する工程で初めて大量に生成されます。エチレン・プロピレンなどはこのクラッキング工程で作られます。

Q6:ナフサの成分が変わると製品にどんな影響がありますか?

パラフィン比率が高いほどエチレンの収率が上がり、プラスチック製造に有利です。ナフテン・芳香族比率が高いと繊維・樹脂・薬品向けのBTXが多く取れます。成分の違いはそのまま「何をどれだけ作れるか」に直結するため、石油化学メーカーは用途に合わせてナフサを使い分けています。

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まとめ

ナフサは単一の化学物質ではなく、パラフィン・ナフテン・芳香族・オレフィンという4種類の炭化水素が混ざり合った混合物です。主成分のパラフィン(60〜80%)が熱分解されてエチレン・プロピレンとなり、プラスチックへとつながります。ナフテンは芳香族へ変換されてBTXとなり、繊維・樹脂・薬品の原料になります。

この多様な成分の組み合わせこそが、ナフサが「化学工業の米」と呼ばれる理由であり、一種類の液体から無数の製品が生まれる仕組みの根幹です。

この記事を書いて、ナフサが「混合物」だったという事実が一番の発見でした。プラスチックのもとになる成分と繊維のもとになる成分が同じ液体の中に混在しているという構造は、知れば知るほど面白いと感じます。次はこの成分がどうやってエチレンに変わるのかも掘り下げていこうと思っています。

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