「最強」と呼ばれた前回大会から一転、2026年の侍ジャパンには令和の怪物・佐々木朗希の姿はなく、センターに「タツジ」ことヌートバーもいない。
SNSやニュースでは、2月26日の佐々木投手のオープン戦初登板での失点を受けて、そのコンディションを心配する声が上がっています。また、手術明けのヌートバー不在に「あの熱いプレーが見られないのは寂しすぎる」と、喪失感を抱くファンも少なくありません。
しかし、この「不在」は決してネガティブなものではありません。
その裏側にある、佐々木が選んだ「ドジャース1年目」に懸ける不退転の覚悟。順調とは言えない幕開けすらも、彼が選んだ道の一部です。そして、ヌートバー不在の穴を埋めるべく立ち上がる、新たなスターたちの予感。私たちは今、欠けたピースが埋まっていく過程という、2026年大会ならではの新しいドラマの目撃者になろうとしています。
筆者の心の独り言(X風)
結論(一言)
「不在」は絶望ではなく、鈴木誠也の「魂の継承」と、国内組が「世界に見つかる」ための最高の舞台装置である。
佐々木朗希が背負う「沈黙」の理由。ドジャースがNOを突きつけたプロの現実
佐々木朗希投手、OP戦初登板⚾
— 山谷@不登校のこどもを守る為に在宅で稼ぐパパ (@yamatanifukugyo) February 26, 2026
1回1/3 36球
被安打3 3失点 3奪三振 2四球
最速159km/h
制球に苦しむもフォークは健在。
新球カットボールも試投しつつ調整段階。
次回登板での修正に期待🔥 pic.twitter.com/hJIbcbJGT7
2026年2月26日、ドジャースでのオープン戦初登板。佐々木朗希が3失点でマウンドを降りた。この結果だけを見て「調整不足」と騒ぎ立てるのは、あまりに早計です。
球速は159kmを計測しており、今はメジャーの硬いマウンドや滑るボールに心身を適応させている過程に過ぎません。オープン戦の結果は、文字通り「調整」であり、ここで打たれること自体は何の問題もないのです。
むしろ、私たちが直視すべきは「なぜ彼がここに立っているのか」という現実です。
昨シーズンの佐々木の成績を冷静に振り返れば、圧倒的な球威はありながらも、年間を通してローテーションを守り切る「体力」にはまだ課題が残っていました。海外FA権を持たない「25歳ルール」での移籍により、彼は大型契約どころか、まずはメジャーで実績を作って自分の価値を証明しなければならない極めてシビアな立場にいます。
チームからすれば、将来のエース候補をWBCの激闘で消耗させるリスクは取れません。かつてロッテを退団する際にも、そのプロセスを巡って多くのファンが「モヤモヤ」を抱えました。今回の欠場もまた、一部から「自己中心的だ」と批判される宿命にあるのかもしれません。しかし、彼はその十字架を背負った上で、ドジャースの1年目にすべてを懸けるという、逃げ場のない道を選んだのです。
ヌートバー不在の絶望。私たちが失ったのは「100%の魂」と「ペッパーミル」
佐々木投手が「理屈」での不在なら、ラーズ・ヌートバーの欠場は日本のファンにとって「感情」の欠落です。
2023年大会、あの泥だらけのダイビングキャッチ、塁に出た瞬間に野獣のように吠える姿、そして日本中が真似をした「ペッパーミル」。それだけではありません。彼とお母さんとの温かい絆が、侍ジャパンというチームを瞬時に「家族」に変えました。あの熱狂を知る者にとって、彼のいないセンターラインはどこか寂しさを拭いきれません。
しかし、この穴を「戦力」として埋められる唯一無二の男が、今大会のメンバーにはいます。シカゴ・カブスの鈴木誠也です。
実は、誠也とヌートバーの間には深い絆があります。前回、誠也が直前の怪我で出場を辞退した際、代わりに入ったヌートバーに対し「ラーズをよろしく頼む」とチームメイトに連絡を入れたのは誠也でした。そしてヌートバーもまた、誠也の悔しさを背負って戦い、お互いに「たっちゃん」「セイヤ」と呼び合う親友となったのです。
前回大会に出られなかった誠也の胸中には、自分の穴を埋めてスターになった親友への敬意と同時に、「今度は自分の番だ」という強烈な自負があるはずです。外野の守備範囲、そして日本人右打者初のMLB30本塁打を放った圧倒的なパワー。技術的な補完はもちろん、誠也なら「ヌートバーのぶんまで俺が吠えてやる」と、あの熱い魂をも引き継いでくれるに違いありません。
「不完全」ではない。これはNPB選手が世界に「見つかる」ための千載一遇のチャンスだ
「最強メンバーが揃っていないから、今大会の侍ジャパンは不完全だ」という声もあります。しかし、私はそうは思いません。むしろ逆です。
佐々木やヌートバーがいないからこそ、普段NPB(日本プロ野球)を熱心に観ない層の目に、国内で牙を研いできた「本物の才能」たちが飛び込んでくる絶好のチャンスなのです。
私自身、前回大会をきっかけに多くのNPB選手の凄さを知り、名前を覚えました。テレビの前で「こんなにすごい選手が日本にいたのか!」と衝撃を受けたあの感覚は、今でも鮮明に残っています。
今回も、その瞬間は必ず訪れます。佐々木の不在によって、その穴を埋めるべくマウンドに上がる高橋宏斗の「魔球」や、中日の新星・金丸夢斗の度胸満載のピッチング。あるいは、ヌートバー不在のセンターラインで、誠也と共に暴れ回る国内屈指の外野手たち。
スターの不在を嘆く時間はもう終わりです。これまで日本国内でしか知られていなかった才能が、世界の舞台で「見つかる」産声。それを目撃し、新しい推し選手に出会う。それこそが、2026年WBCの最高に贅沢な楽しみ方ではないでしょうか。
WBC2026 不在の真相Q&A
佐々木朗希は本当に出たかったのでしょうか?
野球人として、日本代表への思いは当然あったはずです。しかし、25歳ルールでの移籍というシビアな立場、そしてドジャースでの役割を考えた際、プロとして「今、自分がすべき仕事」を優先したに過ぎません。その決断の重さは、オープン戦の1球1球に現れています。
ヌートバーの代わりにペッパーミルをやる選手は現れますか?
無理にポーズを真似る必要はないでしょう。しかし、鈴木誠也選手が「タツジ(ヌートバー)の分まで」という気迫でプレーすることで、チームには新しい、そして前回以上に熱い団結の形が生まれるはずです。
国内組だけでメジャー軍団に勝てるのでしょうか?
野球は名前や所属リーグだけで決まるものではありません。前回大会でも国内組の守備力や繋ぎの技術が世界を驚かせました。主力の不在は、逆に国内組にとって「自分たちが日本を背負う」という強い自覚と結束力を生む最高のガソリンになります。
侍ジャパン2026 辞退・欠場メンバーと後継者まとめ
| 選手名 | 理由 | 期待される後継者 | 独自の期待値 |
|---|---|---|---|
| 佐々木朗希 | ドジャースでの調整優先 | 高橋宏斗、金丸夢斗 | 世代交代を証明する快投 |
| ヌートバー | 両かかと手術・リハビリ | 鈴木誠也 | 「親友の魂」を背負った激走 |
| 松井裕樹 | コンディション不良 | 金丸夢斗 | 若きサウスポーの覚醒 |
まとめ:欠けたピースが「新しい歴史」を作る
「なぜ彼らがいないのか」という問いの答えは、彼らが自身の野球人生を真摯に生きている証そのものでした。そして、その不在によって空いたスポットライトに、今、日本国内で牙を研いできた新しい才能たちが飛び込もうとしています。
佐々木朗希やヌートバーがいない2026年の侍ジャパンは、決して「不完全」なチームなどではありません。誰が新ヒーローになるか分からないワクワク感に満ちた、「NPBの底力を見せつけるための最高の舞台」なのです。
私たちが前回大会で新しい選手を知ったあの感動を、もう一度。
