SUVやステーションワゴンに装備されているルーフレール。見た目はカッコイイけれど、「実際に使うの?」「本当に必要なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。私自身も購入前は散々悩んだのですが、実際に3年間使ってみて分かったリアルなメリット・デメリットをお伝えします。この記事を読めば、あなたにとってルーフレールが本当に必要かどうかが分かりますよ。
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ルーフレールが邪魔で屋根の雪が上手く降ろせない… pic.twitter.com/HdShV3xyjr
— フミ (@SilverCROWN_05) December 7, 2014
ルーフレールとは何か?基本的な知識を理解しよう
ルーフレールとは、車の屋根に取り付けられた2本のレール状の金属パーツのことです。よくSUVやステーションワゴンの屋根に付いている、あの銀色や黒色の棒状のものですね。
ルーフレール単体では荷物を載せることはできません。ルーフレールの上にベースキャリアを取り付けて、そこにさらに様々なアタッチメントを組み合わせることで、初めて荷物を運ぶことができるようになります。
つまり、ルーフレールは「荷物を載せるための土台の土台」のような存在なんです。これを理解していないと、「ルーフレールがあるのに荷物が載せられない」と困ってしまうことになります。
ルーフレールのメリット:実際に感じた5つの利点
私が3年間使ってきて実感したルーフレールのメリットをご紹介します。
1. 積載量の大幅アップで家族旅行が快適に
一番のメリットは、やはり積載量の増加です。車内に収まりきらない荷物を屋根に載せることで、車内を広々と使えるようになります。
我が家では年に数回のキャンプに行くのですが、テントやタープ、チェアなどの大きな荷物をルーフボックスに入れることで、車内には食材や着替えなどの必需品だけを積むことができます。おかげで家族4人がゆったりと座れて、長距離移動も快適になりました。
2. スキー・スノーボード用品の運搬が楽々
冬のスポーツを楽しむ方には特にメリットが大きいでしょう。スキー板やスノーボードは長さがあるため、車内に積むのは非常に困難です。
ルーフレールにスキー・スノーボード専用のアタッチメントを取り付けることで、複数セットの板を安全に運べます。車内が濡れる心配もなく、スキー場への移動が格段に楽になります。
3. 自転車の運搬で新しい楽しみ方が発見
自転車を車で運ぶ際も、ルーフレールが大活躍します。車内に自転車を入れようとすると、前輪を外したり、シートを全部倒したりと大変な作業が必要です。
ルーフレールに自転車専用のアタッチメントを取り付けることで、そのまま載せることができます。遠くのサイクリングコースまで車で移動して、現地で自転車を楽しむというスタイルが可能になりました。
4. 見た目のカッコよさでモチベーションアップ
機能面だけでなく、見た目の印象も大きく変わります。ルーフレールがあることで、よりアウトドア志向でアクティブな印象になります。
特に何も載せていない状態でも、SUVらしいワイルドな雰囲気を演出できます。街中を走っていても「アウトドアを楽しんでそう」という印象を与えられるのは、意外と嬉しいものです。
5. 緊急時の積載スペース確保
普段は使わなくても、引っ越しや大きな買い物の際に重宝します。急に大きな荷物を運ぶ必要が出た時、ルーフレールがあることで選択肢が広がります。
実際に友人の引っ越しを手伝った際、大きな家具をルーフキャリアに載せて運んだことがあります。トラックを借りるほどではないけれど、普通の車では運べないという微妙なサイズの荷物を運ぶ時に、とても助かりました。
ルーフレールを純正のんに戻した
— 神戸 聖子ぅ(のまど待ち疲れ) (@kunyking) July 11, 2021
長尺もんの積載対策 pic.twitter.com/vqKzZYtiBq
ルーフレールのデメリット:知っておくべき6つの問題点
良い面ばかりではありません。実際に使ってみて感じたデメリットも正直にお伝えします。
1. 燃費の悪化が想像以上に深刻
最も大きなデメリットは燃費の悪化です。ルーフレールがあることで空気抵抗が増加し、燃費が3〜5%程度悪くなります。
キャリアやルーフボックスを取り付けると、さらに燃費は悪化します。私の経験では、ルーフボックスを取り付けた状態で高速道路を走ると、通常より10〜15%程度燃費が悪くなりました。ガソリン代を考えると、年間で数万円の差になることもあります。
2. 風切り音が気になってドライブに集中できない
特に高速道路での風切り音は想像以上に気になります。ルーフレール単体でもある程度の音は発生しますが、キャリアを取り付けると「ヒューヒュー」という音が常に聞こえるようになります。
最初は慣れるかと思っていましたが、長距離運転では疲労の原因にもなります。家族からも「うるさい」と言われることが多く、取り外すことを検討したこともありました。
3. 立体駐車場の利用制限で不便さを実感
意外と盲点なのが、立体駐車場の高さ制限です。ルーフレールがあることで車高が高くなり、一部の立体駐車場に入れなくなることがあります。
特にルーフボックスを取り付けた状態では、多くの立体駐車場で高さ制限に引っかかります。都市部でのショッピングや映画館での駐車に困ることが何度もありました。
4. 洗車の手間が増えて維持が大変
ルーフレールがあることで、洗車の手間が確実に増えます。レールの隙間に汚れが溜まりやすく、しっかりと洗わないと錆の原因にもなります。
また、高い位置にあるため洗車が困難で、脚立を使ったり洗車機の設定を変更したりする必要があります。手軽に洗車できなくなるのは、想像以上にストレスでした。
5. 初期費用とランニングコストの負担
ルーフレール自体は純正オプションで5〜10万円程度ですが、実際に荷物を載せるためにはベースキャリアやアタッチメントが必要です。
本格的に活用しようとすると、トータルで15〜20万円程度の費用がかかります。さらに、定期的なメンテナンスや部品交換も必要になり、ランニングコストも考慮する必要があります。
6. 盗難リスクの増加
ルーフに荷物を載せることで、盗難のリスクが増加します。特に高価な自転車やスキー用品を載せている場合、駐車場所に気を使う必要があります。
実際に、スキー場の駐車場でスキー板が盗まれたという話を聞いたことがあります。完全に防ぐことは難しいですが、鍵付きのアタッチメントを使うなどの対策が必要です。
どんな人にルーフレールが必要か?タイプ別診断
これまでの経験を踏まえて、どのような人にルーフレールが必要かをまとめてみました。
ルーフレールが必要な人
アウトドア派の方 キャンプ、スキー、自転車などのアウトドア活動を頻繁に楽しむ方には必須です。大きな荷物を運ぶ機会が多いなら、燃費悪化のデメリットを上回るメリットがあります。
大家族の方 家族が多く、旅行の際の荷物が車内に収まりきらない方にもおすすめです。全員が快適に過ごせる空間を確保できます。
引っ越しが多い方 転勤や引っ越しが多い方は、急に大きな荷物を運ぶ必要が出た時に重宝します。レンタカーを借りる頻度を減らせるかもしれません。
ルーフレールがいらない人
都市部中心の方 立体駐車場を頻繁に利用する都市部中心の生活の方には不向きです。高さ制限で困ることが多くなります。
燃費重視の方 燃費を最重要視する方には向きません。わずかでも燃費悪化を避けたい場合は、ルーフレールなしを選択すべきです。
見た目だけ重視の方 機能を使わずに見た目だけでルーフレールを選ぶのはおすすめしません。デメリットを受け入れてまで装着する価値はないでしょう。
ルーフレールの代替案:他の選択肢も検討しよう
ルーフレールが不要と判断した場合でも、荷物を運ぶ需要がある方には以下の代替案があります。
ルーフバッグという選択肢
ルーフレールなしでも使えるルーフバッグという選択肢があります。車のルーフに直接取り付けるタイプで、使わない時は小さく折りたたんで収納できます。
容量も300〜500L程度と十分で、防水性能も高いものが多くあります。年に数回しか使わない方には、こちらの方が経済的かもしれません。
ヒッチキャリアの活用
車の後部にヒッチを取り付けて、そこにキャリアを装着する方法もあります。ルーフよりも低い位置にあるため、荷物の積み下ろしが楽で、風の影響も受けにくいメリットがあります。
トレーラーの利用
本格的にアウトドアを楽しむ方は、小型のトレーラーを検討するのも一つの方法です。初期費用は高くなりますが、積載量は格段に増加し、車体への影響も最小限に抑えられます。
後付けルーフレールの注意点と車検対応
新車購入時にルーフレールを選択しなかった場合、後から取り付けることも可能です。ただし、いくつかの注意点があります。
構造変更の必要性
後付けでルーフレールを取り付けて車高が40mm以上高くなる場合、構造変更手続きが必要になります。この手続きを行わないと車検に通らないため、必ず確認しましょう。
取り付け工賃と純正部品の確保
後付けの場合、取り付け工賃が別途必要になります。また、純正部品の確保が困難な場合もあるため、事前にディーラーに相談することをおすすめします。
防水処理の重要性
ルーフレールの取り付けには、ルーフに穴を開ける作業が伴います。防水処理が不十分だと雨漏りの原因となるため、信頼できる業者に依頼することが重要です。
ルーフレールの正しい使い方と安全対策
ルーフレールを安全に使用するために、正しい使い方を理解しておきましょう。
積載重量の上限を守る
ルーフレールには積載重量の上限があります。一般的には75〜100kg程度ですが、車種によって異なるため、必ず取扱説明書で確認してください。
重量オーバーは車体に大きな負担をかけ、走行安定性にも悪影響を与えます。重い荷物を載せる際は、重量配分にも注意が必要です。
定期的な点検とメンテナンス
ルーフレールやアタッチメントは定期的な点検が必要です。ボルトの緩み、パーツの劣化、錆の発生などをチェックし、必要に応じて交換や修理を行いましょう。
特に塩害の影響を受けやすい海沿いの地域では、より頻繁な点検とメンテナンスが必要です。
荷物の固定方法
荷物をルーフに載せる際は、必ず専用のベルトやロープでしっかりと固定してください。走行中の荷物の落下は、後続車にとって非常に危険です。
風の影響を受けやすい高速道路では、特に注意が必要です。荷物が風にあおられて車体が不安定になることもあります。
日本では珍しいがルーフに直接荷物を載せた事例。トーラスワゴンと違ってルーフの左右端を前後に走るレールでは、直置きした大きな荷物を固定することは難しそうだ…😵 https://t.co/BSxUJAkPVz pic.twitter.com/Klt4cr8a7f
— もげお@3気筒MT欲しくて買った。自分用にもう一台買おうとしたら抽選落ちた😂 (@ZRPmoW8xooHbqtb) May 16, 2024
ルーフレールの税金・保険への影響
ルーフレールの装着が税金や保険に与える影響についても理解しておきましょう。
自動車税への影響
ルーフレールの装着だけでは、自動車税額に変更はありません。自動車税は排気量によって決まるため、外装部品の追加は基本的に影響しません。
自動車保険の取り扱い
ルーフレール自体は純正オプションとして扱われることが多く、保険の車両保険でカバーされる場合が多いです。ただし、後付けの社外品については保険会社によって取り扱いが異なる場合があります。
ルーフに載せた荷物については、別途確認が必要です。高価な荷物を載せる場合は、事前に保険会社に相談することをおすすめします。
実際の体験談:3年間使って感じたリアルな声
最後に、私自身の3年間の使用体験を振り返ってみたいと思います。
購入を決めた理由
当初は見た目のカッコよさに惹かれて選択しました。しかし、実際に使ってみると機能面でのメリットも大きく、特にキャンプでの活用度は期待以上でした。
後悔した瞬間
一番後悔したのは、都心部のショッピングモールで立体駐車場に入れず、遠くの平面駐車場まで歩くことになった時です。普段の利用パターンをもっと考慮すべきでした。
意外な発見
使っていく中で、荷物を載せること以外にも活用方法があることを発見しました。洗車時の足場代わりや、高い場所の作業時の補助など、思わぬ場面で役立つことがありました。
今後の選択
もし次に車を買い換える機会があれば、再びルーフレール付きを選ぶと思います。デメリットはありますが、それを上回るメリットを感じているからです。
ただし、生活スタイルが変わってアウトドア活動をしなくなったら、ルーフレールなしを選択するかもしれません。
「ルーフレール 」の人気商品をレビュー件数順に楽天でチェック!まとめ:ルーフレールが本当にいらないのは○○な人
ルーフレールについて詳しく解説してきましたが、結論として「本当にいらない」のは以下のような方です。
都市部中心で立体駐車場を頻繁に利用する方は、高さ制限で不便を感じることが多いため、ルーフレールなしが適しています。
年間を通してアウトドア活動をほとんどしない方は、燃費悪化や風切り音のデメリットを受け入れてまで装着する必要はないでしょう。
見た目だけで選択を検討している方は、実用性のないまま維持コストだけがかかることになるため、避けた方が賢明です。
一方で、定期的にキャンプやスキーを楽しむ方、大家族で荷物が多い方、自転車などの大きな趣味用品を運ぶ方にとっては、デメリットを上回る大きなメリットがあります。
重要なのは、自分のライフスタイルと実際の使用頻度を正直に評価することです。見た目の印象や一時的な憧れではなく、長期的な視点で判断することで、後悔のない選択ができるはずです。
ルーフレールは決して安い装備ではありませんが、適切に活用できる方にとっては非常に価値のある投資となります。この記事が、あなたの判断材料として少しでもお役に立てば幸いです。